オウンドメディアのKPIは、メディアのパフォーマンスを測る大切な指標です。KPIは「Key Performance Indicator」の略です。日本語では、「重要業績評価指標」と呼ばれます。
また似た言葉でKGI「Key Goal Indicator」がありますが、これは「重要目標達成指標」と呼ばれています。つまり、KPIは途中のプロセス指標で、KGIは最終ゴールの目標指標になります。
これらの、指標はオウンドメディアの成果を測る上でとても重要になります。どんな施策を実行したことで、指標数字がどう変化したのかを測ることは、成功のノウハウになるからです。
本記事では、オウンドメディアのKPIやKGI、その運用方法について解説します。
Contents
1. オウンドメディアとは
オウンドメディアの重要指標のお話に入る前に、ここではまずオウンドメディアそのものついて振り返ります。一般的にオウンドメディアは、「企業が保有するWebサイト」と解釈されています。
ここで重要なのは、成果の鍵は「コンテンツの質と量」だということです。
例えばブランドショップに例えると、ブランドがオウンドメディアで、コンテンツがショップの販売スタッフです。お店(サイト)を訪問したユーザーに接するのは、販売スタッフ(コンテンツ)です。その販売スタッフが優秀であれば、売上を上げることができます。また優秀な販売スタッフがたくさんいれば、さらにたくさんの売上を上げることができます。
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2. KPIの設定と同時にKGIとKSFも重要
では、ここからKPI及び他の指標についてもみていきたいと思います。オウンドメディアを成功させるための各指標の必要性について、解説します。
2-1. KPI設定の考え方
2-1-1. 他の指標との連動が重要
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略です。これは日本語では、「重要業績評価指標」と訳されます。最終的なオウンドメディアの目標であるKGI(※後述)を達成するために設定する、中間目標のことです。
例えばオウンドメディアの場合、KPIには「公開記事本数」や「月間ページビュー」、「月間訪問者数」などがあります。それらの具体的数値を設定することで、チームや個人が目標達成のためにどう行動すべきかが明確になります。
2-1-2. KGI(最終目標)を決めてからKPI(中間目標)を決める
KGIとは、「Key Goal Indicator」の略です。これは日本語では、「重要目標達成指標」と訳されます。オウンドメディアの運営においては、まず最終的な目標であるKGIを設定し、それを分解でしてKPIを設定します。具体的なKGIの例としては、「サービス申込者数」や「総売上額」などがあります。
2-1-3. オウンドメディアのフェーズごとでKPIやKGIは変わる
KPIの内容は、オウンドメディアが置かれているフェーズによっても変わってきます。例えば立ち上げ前後のKPIは、運用の体制作りに関する行動目標が効果的です。その理由は、この段階では具体的な成果が数字には出にくく、仕組みを完全に構築する方がメリットがあるからです。
具体的には、Googleアナリティクスやサーチコンソールの設定、コンバーション計測用のタグマネージャー設定があります。また、Yoast SEOやTable of Contents Plusといった人気のプラグインのインストールもおススメです。
運用フェーズ | KPIの設定例 |
立ち上げ時 | Googleアナリティクス設定、サーチコンソール設定 |
オウンドメディア初期 | 毎月記事を10本公開する |
オウンドメディア中期 | 1ヶ月のPVを5000にする |
オウンドメディア活用期 | 1ヶ月に問い合わせを10件以上獲得する |
2-2. KSFとは
KSFとは、「Key Success Factor」の略です。これは日本語では、「重要成功要因」と訳されます。例えば、オーガニック検索経由の流入以外のチャネルを構築したい場合、「SNSでの拡散」や「YouTube公式チャネル」などが挙げられます。このように、最終目標のKGIを実現するための成功要因がKSFになります。
またKSFは、運営するオウンドメディアのマーケティング戦略を明確化するのに役立ちます。例えば、まず同じ業界の競合のオウンドメディアを収集します。そしてそれぞれの「ターゲット像」「コンテンツテーマ」「コンテンツ数」「表現力」等を分析します。
そして、差別化要因を洗い出し、自社のオウンドメディアのKSFを設定します。そうすることで、ポジショニングが明確になり、独自性を打ち出すことができます。
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3. オウンドメディアの重要なKPI例
3-1. PV(ページビュー)
PV(ページビュー)とは、Webサイトで表示されたページの閲覧数のことです。カウントの仕方は、Webサイトにアクセスしたユーザーが1ページ見るごとにPVがカウントされます。
例えば、あるユーザーが3ページ見た場合は3PVになります。また「戻る」ボタンによって前ページに戻った場合も、1PVになります。PV(ページビュー)は、オウンドメディアの認知度を測る代表的な指標です。PV数を把握するには、Googleアナリティクスを活用することが一般的です。ただし、ユーザー数を測りたい場合はUUを活用しましょう。
3-2. UU(ユニークユーザー)
UU(ユニークユーザー)は、決まった計測期間内にページに訪問したユーザーの実数を表す数値です。例えば、計測期間内に同じユーザーが何度も訪問した場合でも、1UUになります。
ちなみにGoogleアナリティクスの場合、UU数はブラウザ単位で計測されます。つまり、同じユーザーがChromeとYahooからWebサイトに訪れた場合のUU数は、2カウントになります。またPCとスマホのようにデバイスが2つの場合も、2カウントになります。
オウンドメディアの運営において、ユーザー数を重視する場合、UUをKPIに設定するのは効果的です。
3-3. コンテンツ数
検索エンジン経由の集客において、決定的な要素の一つがこのコンテンツ数です。オウンドメディアに掲載されているコンテンツ数が増えることで、検索エンジン経由の集客数は指数関数的に増加します。
またサイト公開後の目安としては、1年以内の公開記事本数は120本前後が理想といわれています。具体的には、ユーザーの検索意図を読み、上位表示コンテンツを分析した上で4000~5000文字の記事を書きます。
特に重要なのは、オリジナルの視点や主張、説得性のあるエビデンスです。これらの要件を満たす良質な記事を作成するためには、7~10時間は必要になります。オウンドメディアで成功するためには、これらの諸条件を理解した上で、確実な生産計画が必要です。
3-4. CV(コンバージョン)
CV(コンバージョン)とは、Webサイトを訪問したユーザーの商品購入など、成果につながった行動のことです。またCVは、オウンドメディアの運営会社の目標に合わせて設定する必要があります。具体的なCV例としては、以下に挙げます。
① 商品の購入
② サービスのお問い合わせ
③ 資料のダウンロード
④ 採用への応募
⑤ イベントへの参加申し込み
⑥ メルマガ登録
⑦ LINE登録
また似た言葉として、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)があります。これは、サイトに訪問したユーザーがCVに至る割合のことです。CVRは、CVの成果を判断するために重要な指標になります。このCVRは、数字が高くなるほどWebサイトの費用対効果が大きいと考えられます。
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4. KPIを設定するメリットについて
4-1. 関わる個人の指標が明確になる
オウンドメディアの運営には、多くの人が関わります。社内・社外問わず、ディレクター、ライター、デザイナー、プログラマーなど、職種は多岐に渡ります。
そこでKPIを設定することで、会社の数字目標に向けて、各人が何をすべきかが明確になります。また何をすべきかを具体化することで、業務のスピードと精度も上がりやすくなります。
4-2. スタッフを公平に評価できる
KPIには、定量的な数値が用いられます。そのため、印象や感情に惑わされることなく、評価基準を統一できるというメリットがあります。
例えば、ライターさんには1ヶ月の制作記事本数、デザイナーさんはバナー制作本数といった設定ができます。またディレクターは、PVやUU、CV数をKPIに設定できます。このように各人にKPIを設定することで、業務が明確になり、公平に評価できるようになります。
4-3. PDCAの精度が高まる
中間目標であるKPIは、WebマーケティングのPDCAを回す指標という側面もあります。大ゴールであるKGIの数字目標達成に向けて、各KPIをどう効率的に回していくかが大切です。
その時に重要になってくるのが、施策と各KPIの連動性です。例えば、あるフォーマットのバナーの位置ごとのCV率を計測することで、CVRの向上を実現できます。そういったノウハウを蓄積していくことで、経営に貢献できる力がオウンドメディアに備わるようになります。
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5. まとめ
オウンドメディアの運営におけるKPIの役割は、「状態の見える化」といえます。
どれぐらいのユーザーが来訪し、どれぐらいのページを見てくれているのか。またどれぐらいの時間滞在し、どのような成果につながっているのか。それらの現象に対し施策を打つと、どのような変化が生じたのか。
それらの「可視化」が全てノウハウになり、より大きな成功を獲得する土台になっていきます。またそれぞれの担当者も、自分の役割が明確になり、モチベーションが上がる効果もあります。
KPIはあらゆる施策の根拠になりますので、関わるスタッフ全員が共有することで、チームワークにも貢献できます。