旅行業界のSEOは、人気の旅行テーマごとの施工が必要不可欠です。例えば人気のテーマには、「沖縄旅行」や「温泉」、「格安航空券」のような様々なテーマがあります。
コロナ禍前と比べると、旅行の需要は大幅に回復しています。そのため、これから旅行を考えているユーザーの集客ニーズが高まっています。特にスマホ検索経由の流入のためのSEOは重要です。
そこで今回は、旅行業界SEOの弊社の事例をご紹介します。お問い合わせからWeb業務委託の依頼を受け、Webディレクターとして関わらせて頂きました。実際にどんなプロセスで、どのような現象が生まれ、どんな成果が出たのか。その模様を、できるだけドキュメンタリー風にお伝えできればと思います。
Contents
1. 旅行業界のSEOのおさえるべきポイントとは

旅行業界の集客にキーワードパターンが重要
1-1. ユーザーの検索行動パターン
1-1-1. 目的が決まっている場合
これは、既にユーザーの旅行の行先が決まっている場合です。例えば、夏休みに沖縄旅行に行きたい場合などがあります。このパターンでは、「沖縄旅行 安い」といったキーワードで旅行予約サイトに流入します。
1-1-2. 目的が決まっていない場合
地方の名産やイベントなど、これからどこに行くか迷っているパターンです。例えば夏休みだと、「有名花火大会」「人気プール」「夏人気イベント」などのキーワードでユーザーは検索します。
1-2. 狙うべき検索キーワードパターン
目的が決まっているユーザーの検索キーワードは、コンバージョン率が高い傾向があります。そのパターンについて、以下解説します。
1-2-1.「旅行+エリア名」
例えば、「旅行 北海道」と検索するユーザーは北海道旅行をする確度が高いといえます。この「旅行」と「北海道」の2つのキーワードを含んだコンテンツを多く作成することで、集客することができます。
1-2-2.「ホテル+エリア名」
行先は決めていて、これから宿泊先を探しているのがこの検索キーワードです。例えば「ホテル 北海道」を検索するユーザーは、良いホテルがあったらその場所に行こうと考えています。
1-2-3.「ホテル名」
これは、指名検索といわれるものです。有名で人気の高いホテルは、ホテルの名前で検索することもたくさんあります。そのため、有名ホテルの部屋の内部やディナーなどは、人気コンテンツになる可能性が高いです。
1-2-4.「観光+エリア名」
例えば「観光 北海道」の場合、札幌や函館などのグルメスポットやスキー場が人気です。近年はパウダースキーで有名なニセコなども人気コンテンツです。
1-3. 入札価格が高いビックキーワード
ご相談を受けたのは、東京都の中堅旅行会社であるA社様です。旅行業は、GWやお盆、お正月といった長期のお休みがかき入れ時です。そのハイシーズン前に、新幹線や飛行機、ホテル、ツアーの申し込み客を獲得することがとても重要です。
そして、それらの旅行客の申し込みを獲得するためのキーワード群があります。例えば検索数の多いものでは、「格安航空券」「レンタカー」「ディズニー」「フリープラン」などがあります。こういったキーワードは、「ビックワード」といいます。概ね月間の検索数が、1万回以上のもので、リスティング広告の入札価格も高いのが特徴です。
1-4. リスティング広告に頼らない方法とは
どの旅行会社も、集客は売上の生命線です。そのためリスティング広告は、激戦区になっています。リスティング広告の大きな特徴は、大資本の企業が有利な点です。例えば投下する資金に比例して表示されるため、手持ち資金の少ない企業はどうしても不利です。
例えば広告文を工夫したり、LPを改善することで、ある程度の成果を上げることは可能です。ただし、表示回数の影響はどうしても受けてしまいます。
この案件の趣旨は、「リスティング広告に頼らない集客」でした。そのために、A社の自社サイトをどう活用するかが大きなテーマでした。つまり、自然検索による流入をいかに増やすかが、主題でした。
2. Web担当者とWebデザイナーしかいない状態

Web業務委託での打ち合わせイメージ
2-1. SEOの知識はほぼゼロ
プロジェクトがスタートした時のA社の社内のリソースは、Web担当の方が1人、Webデザイナーの方1人の計2名でした。またWeb担当の方はインターネット広告会社の担当者とリスティング広告のやり取りをされていました。
この配置は、企業のWeb運用において最低限のことはできる状態です。例えば旅行商品の掲載や更新、リスティング広告宣伝、そしてメール対応業務です。しかし社員のお二人とも、SEOの知識と経験はほぼゼロでした。「SEOの重要性は理解していますが、具体的な経験はありません」という答えだったのです。
2-2. 現状維持の人数でどう回すか
結論として、今回の旅行見込み客の集客は、社員さん2人と私1人の計3人で回すことになりました。ただし、お二人とも現状の業務だけでなく、今回のプロジェクトの新規業務はできるだけ受けて頂くOKを頂きました。
「自社のWebのコンテンツでもっと集客できるようにしたい」という社長の想いにどう応えるか。1年契約とはいえ、早めに結果を出さないと社員の方のモチベーションが下がります。そのための戦略を練る必要がありました。
3. 成果が早く見えるコンテンツマーケティングとは

成功パターンをいかに業務プロセスに落とし込むかが大切
3-1. 成果を生まないコンテンツの原因
私の感覚では、ほとんどの企業様では戦略的なコンテンツ作成が行われていません。その多くが単発的で、散漫になってしまっています。つまり、せっかく作成したコンテンツが無駄になっているケースが非常に多いのです。
特に多いパターンが、「キーワード対策の欠如」です。タイトルはもちろん、見出しであるh2、h3部分にキーワードを挿入していないケースが結構あります。もちろんそれだけでは、Google上位表示は実現できません。例えば総ワード数やページ表示速度、そして何より重要なのが「オリジナル性」です。他のページにはない独自お役立ち情報をいかに提供できるか。そこが被リンク獲得につながり、メディアパワーを生む原動力になります。
またキーワードリサーチの精度も重要です。例えばGoogleのキーワードプランナーは複合キーワードが弱い特徴があります。基本ラッコキーワードを使用していますが、旅行ブログなども参考にします。
3-2. 現状把握からスタート
第1回目のMTGの後、Googleアナリティクスとサーチコンソールの承認を頂き、Webサイトを現状分析を行いました。現状の訪問者数やページビュー、コンテンツ数、検索クエリ、流入ページランキング、被リンク数などを調べます。つまりどんなキーワードを検索したユーザーがどれぐらい入っているのか、その状態を把握します。
またWebサイトのサイト構成やUIも分析します。この段階において、既存サイトにコンテンツを積み上げるか、オウンドメディアを立ち上げるかの判断を行います。
3-3. 競争性の低いスモールワードは狙い目
A社さんはリスティング広告を実施されていたので、そのレポート表を頂きました。その大量にあるキーワードの中から、比較的コンバージョン率の高いキーワードを抽出しました。
次にそのキーワード群の複合キーワードも含め、競争性の低いものをピックアップしました。つまり商品購入につながりやすく、すぐ成果が出やすいキーワードを探し出す作業です。そしてそれらをグルーピングし、ミドルワードやビックワードを見据えた体系図を作成しました。するとユーザーのサイト内回遊イメージを共有しながら、コンテンツ作成ができます。
4. 実際のコンテンツマーケティング運用について

検索ボリュームがあり、競争性が低いキーワードから取り組む
4-1. コンテンツ作成をマニュアルで運用
コンテンツマーケティングは、継続的にコンテンツをアップしていく必要があります。ただし経験のない社員の方にとっては、結構な負担になるのも事実です。
しかし一定数のコンテンツを毎月アップしていく必要があります。そこでコンテンツ作成方法をマニュアル化し、社員の方でもできる部分をお願いしました。具体的には、「キーワード設定」「文章構成」「オリジナル情報」「自己体験」などです。ここで一番重要なのは、キーワードを検索する時のユーザーの気持ちです。キーワードの向こう側の顕在ニーズと潜在ニーズの読み取りがとても重要です。
4-2. 旅行前のドキドキ感をいかに喚起できるか
旅行業界のSEOは、テクニカル面もありますが、情緒的要素も重要です。例えば「旅行はいく前が一番楽しい」という言葉があります。つまり、ユーザーの「ドキドキ感」をいかに取り込むかが鍵になります。
旅行先での「見る」「食べる」「楽しむ」要素を、いかに体感できるページにできるか。そのためには、旅ブログなどの体験談が参考になります。実際に体験したユーザーの生の声には、検索ボリュームの視点とは異なる貴重なキーワードが含まれています。そういった体験談の中には、タイトルや見出しに効果的な心に刺さるキーワードが必ず見つかります。
5. 年商4000万円のかさ上げ効果に

コンテンツマーケティングはある時点で跳ね始める傾向がある
5-1. 施策と成果の相関関係がわかると盛り上がる
何事も、「どうすればどうなる」がわかるとやる気が出るものです。Web担当者の方とWebデザイナーの方と一緒にコンテンツをどんどん作っていくと、検索エンジンが覚え込み始めます。その結果、Googleアナリティクスとサーチコンソールのグラフが右上がりを示すようになってきました。
そしてスモールワードのコンテンツが、Google検索の1P目に入るような現象が出始めました。そしてついにGoogle検索順位1位のコンテンツが誕生しました。この感動は、プロジェクト推進の一番のもモチベーションです。世の中にはキーワードは無数にありますが、自社のコンテンツが1位になるという現象はやはり感動するものです。
5-2. 収益貢献する重要メディアに成長
計3人で推進したこのプロジェクトは、2年目で年間約4000万円の売上効果を生みました。コンテンツマーケティングは、一度軌道に乗ると下がることはありません。
まさに「継続は力なり」です。現在はこのプロジェクトから離れましたが、A社の自社サイトは順調に伸びていると聞いています。また実施した施策ノウハウは内製化され、社内に定着しました。DAWDYのWeb業務委託の大きな目的は、このノウハウの内製化です。企業の血肉になる活動こそ、存在意義があると考えています。

Webマーケティングは、正当な手順で施工すれば、必ず数字は上がります。ユーザーに支持されるコンテンツを制作することで、訪問者数が増え、被リンクを獲得し、メディアパワーが強化されます。そのプロセスを体感しませんか?毎日Googleアナリティクスを見るのが楽しみになる成果を一緒に作りましょう。無料相談も随時受け付けています。どんな質問でも結構ですので、こちらからお気軽にお問い合わせください。