Webディレクターは、Webサイトの制作や運営を担う職種です。近年は新規顧客の獲得や人材採用において、Webの重要性は増しています。しかし、Webの運用全般も任せられる人材は限られているのが現状です。また採用競争も激しく、労力がかかります。
そうはいっても、自社のWebを何とかしたいというニーズはかなりあります。例えば「広告支出を減らし自社で集客したい」という要望があります。多くの場合、リスティング広告の入札価格の高騰でによる採算性の悪化が原因です。また人材紹介コストの高騰も同様です。
そこで本記事では、Webディレクターの仕事を業務委託するメリットを解説します。これからWebディレクターの採用を予定されている人事の方の参考になれば、幸いです。
Contents
1. Webディレクターの業務委託の仕事内容とは
1-1. 要件定義
クライアントにヒアリングし、現在のWebの課題や目的を明確にし、方向性を決めます。同時に競合調査も行い、取り入れるべき要素を把握します。またWebサイトのターゲットユーザー像の設定や、機能要件も整理します。
1-2. Webサイトの企画・設計
Webのページ構成（サイトマップ）やワイヤーフレーム（画面設計）を作成します。また画面などのUIや、使いやすさなどのUXの設計を行います。
Web全体の骨子が固まると、次にコンテンツの企画設計を行います。この時重要なのは、キーワードマーケティングです。自社のターゲットユーザーが検索するキーワードを「ビックワード」「ミドルワード」「スモールワード」に分類します。同時に分野ごとにグルーピングし、コンテンツ群を設計します。
1-3. 制作の進行管理
Webデザイナーやライター、エンジニアと連携し、タスクを割り振ります。そしてスケジュール管理や進捗確認、クオリティチェックを行います。またクライアントと定期的にMTGを実施し、進捗状況を共有すると同時に、フィードバックを反映します。
1-4. 品質管理・テスト
PCとスマートフォン両方で、Webデザインのチェックをします。また各キーワードの検索表示順位の動向も把握します。新規でWebを構築した場合は、リリース前に動作テストを行い、不具合があった場合は修正します。
1-5. サイト公開・運用
新規のWeb制作の場合、ドメイン設定やサーバーアップロードなどの公開作業を行います。また公開後、Googleアナリティクスやサーチコンソールを活用し、アクセス解析を行います。アクセス解析ではユーザーの流入経路や滞在時間、離脱率などが把握できます。
またコンテンツを定期的に更新し、保守対応もします。
2. Webディレクターに求められるスキルとは
2-1. コミュニケーションスキル
Webディレクターは、Webサイトに関連する業務のコミュニケーションのハブ的存在です。そのため業務に関する知識や経験だけでなく、クライアントやチームメンバーと円滑にやり取りできることが求められます。
何をすべきか、どういう状態にもっていくかを、わかりやすく伝えるスキルも重要です。
2-2. プロジェクト管理スキル
常に全体を俯瞰しながら、スケジュールやタスクを適切に管理し、納期を遵守する能力が求められます。円滑に運営するためには、タスクにかかる負荷を正確に見極める力やメンバーの癖や傾向を把握する力も求められます。
またメンバーが体調を崩してタスク不履行になった時などのリスク管理も、大切な運用スキルです。
2-3. Web制作に関する専門知識
Webを制作するためのプログラミング言語であるHTMLやCSS、JavaScriptなどの知識が求められます。またSEOやアクセス解析、ライティング、UI/UXデザインの知識も必要になります。
2-4. MAツールに関する知識・経験
MAとは、マーケティングオートメーションの略です。見込み顧客の獲得から育成、抽出までを自動で行います。具体的には、顧客情報の一元管理を行い、できるだけ多くの商談を実現します。
例えばWebサイトで集客を行う場合、Xやインスタグラム、ブログなどの多様な顧客接点があります。そこから流入した潜在顧客を、各部門の担当者が異なるKPIで追う業務を一括管理できます。またセグメント別やシナリオ別のメルマガ配信なども可能です。
2-5. MEO（マップエンジン最適化）対策
MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップでの検索上位を実現することです。例えば店舗情報の閲覧回数や検索回数、口コミを分析し、集客効果を高めます。ツールには、Googleビジネスプロフィールに特化したものや、クチコミ管理に関する機能が充実したものがあります。
MEO（マップエンジン最適化）対策のポイント
Googleマップ検索で自社の店舗情報を上位に表示させ、集客を向上させるための施策です。MEOを実施することで、地域ユーザーへの認知度を高め、来店数アップや売上向上に繋げることができます。特に重要なのが、Googleビジネスプロフィールの最適化です。正確な店舗情報（名称、住所、電話番号、営業時間、WebサイトURLなど）を登録します。またユーザーが検索する可能性の高いキーワードを調査し、店舗情報や投稿に含めます。MEO対策は、他の広告媒体と比較して費用対効果が高い傾向があります。
3. 業務委託するWebディレクターを採用する方法
3-1. 求人広告
求人広告は、Webディレクターを採用する最も一般的な手法です。ただし先述しましたように、Webディレクターの採用の難易度は高いのが実情です。また広告出稿費用が高く、会社の知名度が低いと効果が出にくいという側面があります。
3-2. 人材紹介エージェント
自社が求める人物像に沿ったWebディレクター人材を紹介してくれます。また、人材選考にかかる負荷も少ないというメリットもあります。ただし、紹介料が高く、エージェント推薦の人物以外に会えないという側面もあります。
3-3. リファラル採用
リファラル採用とは、自社の従業員が知人や元同僚などを紹介し、企業が採用する手法です。また近年導入する企業が増えており、採用の質やコストの面で注目されています。
メリットとしては、採用コストが安く、ミスマッチが少ない点があります。また既存社員の推薦のため、採用スピードは速いという面もあります。ただし、紹介者へのプレッシャーや対象者が限られるという側面もあります。
4. Webディレクター業務委託のメリットとデメリット
4-1. メリット
4-1-1. 経験豊富な即戦力人材に依頼できる
自社でWebディレクターを養成するには時間がかかります。例えばWebディレクターの業務委託をする場合、今まで様々な経験を積んだ人材に業務を依頼することができます。
4-1-2. 業務の生産性が上がる
業務の知識や経験豊富なWebディレクターに業務委託することで、生産性が上がります。例えばコンテンツを作成する場合、ライターにディレクションすることで制作本数をこなすことができます。
4-1-3. 社内に知見をストックできる
外部の人材を採用し、業務を一緒にすることで、今まで知らなかったノウハウを共有することができます。特にコンテンツマーケティングやリード獲得のノウハウは重要な経営資産になります。またプロジェクトメンバーのモチベーションアップにもつながります。
4-1-4. 人件費をコストダウンすることができる
Webディレクター人材を雇用する場合、平均年間コストは579.8万円です。しかも広告出稿などの採用コストがかかります。一般的にWebディレクターの業務委託の方がリーズナブルなコストで運営できます。
4-2. デメリット
4-2-1. 急な対応が難しいことがある
業務委託で働くフリーランスのWebディレクターの多くは、兼業です。そのため、緊急のアップ作業などを依頼できない場合があります。
4-2-2. 業務スキルに個人差がある
外部のWebディレクターに依頼する場合、全員が優秀な人材だとは限りません。また当初想定していたスペック通りのスキルではない可能性もあります。
5. まとめ
Webディレクター職は、Webサイトの企画や制作、運用を統括します。そのため、プロジェクトを成功に導く役割を担う重要なポジションになります。
コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力が求められ、Webデザインやマーケティングの知識も重要です。
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