企画書の書き方

企画書作成とは?作成方法から役立つツールまでノウハウを紹介!

企画書作成は、情報設計として6W1Hを押さえ、かつターゲットに響く表現設計が大切です。どんな提案内容があるのか、どんなメリットがあるのか、そしてどう実現するのか。そういったロジックを展開します。

また営業企画書やマーケティング企画書、事業計画書など、目的で内容も変わります。どの企画書も提案だけでなく、具体的実行プロセスやエビデンスも重要です。

本記事では、効果が出る企画書作成のポイントを解説します。

 

1. 企画書作成の方法

企画とは

説得力の高い企画書を作成するには、どういったポイントを押さえるべきでしょうか。またどんなプロセスで作成したらいいのでしょうか。ここでは企画書作成方法について、具体的に解説します。

1-1. 6W1Hを入れる

企画書の骨子は何なのか、それをわかりやすく伝えるためには6W1Hを入れる必要があります。

<企画書に入れるべき6W1Hとは>
① Who(主体)/誰がこの企画を実行するのか
② What(内容)/どんな企画内容か
③ Whom(ターゲット)/誰に向けた企画なのか
④ When(時期)/企画をいつ実施するのか
⑤ Where(場所)/どこで企画を実施するのか
⑥ Why(理由)/なぜこの企画を実施する必要があるのか
⑦ How(手法)/どのような方法で企画を実施するのか
⑧ How much(予算)/企画を実施するのにいくらかかるのか

特に6番目のWhy(理由)の「なぜ実施する必要があるのか」は、重要です。企画を実施するためにはリソースが必要です。費用はもちろん、人や時間などの負担が生じます。企画にそういったリソースをかける価値があることを、証明する必要があります。

具体的には、現在の課題や問題点を抽出したり、市場動向や競合企業の動きなど、客観的な根拠を示します。統計データや象徴的な数字を入れると、企画実施の動機につながります。

1-2. 興味を惹くビジュアルを入れる

どんなに内容が優れた企画でも、文字だけでは伝わりにくい部分があります。最初に人は、文字よりもビジュアルに興味を持ちます。その後文字をゆっくり読解し、理解を深めます。

広告用語で、「AIDMA(アイドマ)の法則」というものがあります。これは人の購買行動のプロセスを示したものですが、最初にくるAは、Attention(注意、注視)です。

つまりどんな行動を起こさせるにも、まずは“目を引く”必要があります。そのためには、企画提案先の人間が興味関心を引くビジュアルインパクトが必要不可欠です。

<興味を引くビジュアル例>
① 課題を象徴した数字
② 企画のメリットをイメージさせる画像
③ 業界を象徴する画像
④ 費用対効果を示すグラフ
⑤ 実行計画を示したチャート

1-3. 企画書作成のフロー

ここでは、どういった手順で企画書を作成するのかを解説します。

1-3-1. 表紙

“企画書の顔”ともいえるのが、表紙です。表紙を見ただけで、何を言おうとしているのかがわかる企画書が理想です。そのためには、企画の趣旨やメリットが理解できるタイトルやイメージしやすいビジュアルが重要です。

1-3-2. 導入部分

本題に入る前の序章部分です。多くの企画書では、「はじめに」や「企画の背景」といった表現を使用しています。このページで時事的な業界トレンドやニューストピックスを入れると、読み手の共感性が高まる効果があります。

1-3-3. 現状分析

企画書で伝える「ビフォーアフター」の「ビフォー」部分です。つまり現状がどんな状態なのか、その課題は何なのかを説明するページです。

現状の分析や課題を入れるだけでなく、それらの根拠数字を入れることで企画の必然性が増します。提案先の内部情報が事前に得られない場合は、官公庁の統計データなどを活用するケースもあります。

1-3-4. 企画の趣旨

「新商品」や「プロモーション」、「新規事業」や「採用プロジェクト」といった企画内容を入れます。ここで重要なのは、“新しさ”と“実現性”です。

「これはどこかで見たことのある企画だな」とか「企画の発想は面白いけど、実現できるイメージが湧かない」といった反応は避けるべきです。そのためには、従来にはない斬新性と緻密な実行計画が必要です。具体的な実行計画の詳細説明は後の「手段」のページで大丈夫ですが、概略だけでもおさえておきましょう。

1-3-5. 企画の目標

このページは、企画書の心臓部分です。具体的には企画のメリットとして、「売上金額の増加」「入会会員数の増加」「新収益源の確立」「高スキル理系人材の採用成功」といったものがあります。

1-3-6. 手段

企画をどのようにして実現するのかを説明します。例えば売上アップの企画提案の場合、「インターネット広告」や「SNS戦略」、「DM戦略」などがあります。

この手段の中に最新の成功事例が紹介されていると、説得性が増します。宣伝会議の『販促会議』などでは、ウェブやモバイル、SNSを活用した最新の成功事例が紹介されているので参考になります。

1-3-7. 費用(コスト)

企画を実現するために必要な費用の総額と内訳を、記します。例えば「新卒採用企画」の場合、「取材費」「撮影費」「コンテンツ制作費用」「メディア出稿費」や「リクルーティング活動費」などがあります。

1-3-8. スケジュール

企画を実施するためのスケジュールを記します。各フェーズごとに分けて表記すると、企画の実行イメージがしやすくなります。準備段階や企画実施後の効果期間も明記しておくと、丁寧な印象を与えることができます。

1-3-9. 運営体制

企画を実施するための運営体制を明記します。大きなプロジェクトになると、運営の主体と協力会社、それぞれの社内における指揮命令系統や必要となる人員のイメージができます。

 

2. 企画書作成に役立つツール

ここでは、企画書作成に役立つツールをご紹介します。

2-1. ビジネス関連の情報収集

営業企画書やマーケティング企画書、事業計画書の作成に役立つツールをご紹介します。

2-1-1. dマガジン

企画書作成情報収集 dマガジン
 

月額440円(税込)で1,000誌以上が読み放題なのが、dマガジンです。ビジネスジャンルでは、「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」「週刊東洋経済」「PRESIDENT」といった雑誌が読めます。

また海外事情がわかる「Forbes Japan」や「COURRiER Japan」、「Newsweek」、「TIME」もあります。

2-1-2. 官公庁データ

企画書作成情報収集 官公庁資料
 

官公庁の各種統計データやコンサルティング会社へ委託調査した資料は、根拠を示すのに効果的です。また「裁判の判例集」や「政府刊行物」などもあります。

おススメは、経済産業省の「委託調査報告書」です。アクセンチュアデロイトトーマツコンサルティングPwCコンサルティングといった企業に委託したリサーチ結果が見れます。

2-1-3. シンクタンクのレポート

シンクタンクは、時事的なテーマを扱ったレポートを出しています。専門性が高く、企画書を作成する上で参考になります。以下に、日本の5大シンクタンクをご紹介します。

野村総合研究所/日本最大のシンクタンクで、イノベーションマガジンも展開しています
三菱総合研究所/官公庁案件が多いのが特徴です。ナレッジ・コラムで情報発信しています
三菱UFJリサーチ&コンサルティング/三和総研がルーツで、レポートを発信しています
日本総合研究所/三井住友フィナンシャルグループのシンクタンクです
みずほリサーチ&テクノロジーズ/みずほフィナンシャルグループの一員で、調査・レポートを発信しています

2-1-4. 調査会社の市場調査

各調査会社が発信している市場調査レポートや分析事例は、企画書に掲載するエビデンス(根拠)として効果的なものがたくさんあります。

マクロミル/「除菌カテゴリ市場動向」といった自主調査レポートを発信しています
クロスマーケティング/「メタバースに関する調査」など無料調査レポートを情報発信しています
ネオマーケティング/市場調査レポートやマーケティングコラムがアップされています
LINEリサーチ/LINEを活用した事例や自主調査結果がサイトに掲載されています
サーベイリサーチセンター/「在留外国人総合調査」など自主調査レポートが掲載されています

 

3. パワーポイントの企画書作成方法

作成した企画書の提案内容が通るかどうかは、内容はもちろんですが、デザインも重要な要素です。優れたデザインはコミュニケーションを効率的にし、誤解を防止します。以下に、パワーポイントを活用した企画書作成のポイントを解説します。

3-1. 企画書の表紙を作成する

企画書作成方法 表紙作成

企画の趣旨とメリットがわかるタイトルを入れます。また企画の補足説明をサブタイトルに入れ、製作会社名を下に入れます。表紙全体に敷くメイン画像は、業界や企画の目的を感じさせる画像を使用します。

3-2. 企画書のテンプレートを作成する

企画書作成方法 テンプレートの作成

短時間でクオリティの高い企画書を作成するためには、テンプレートの作成がおススメです。企画書の構成とビジュアルの統一を同時に作業できます。

まずは左上に構成名を入れます(※「1.はじめに」部分)。その下にはページタイトルを入れます(※「優秀なプログラマー採用が成長を左右する時代です」部分)。

タイトルの下には補足説明としてリード文を入れます(※「アプリ開発~必要があります」部分)。その下には、画像や図版、テキストを入れるスペースを枠線で指定しておきます。

3-3. 全テンプレートに構成名とタイトルを入れる

企画書作成方法 全ページ作成

各ページの構成名に合わせて、タイトルや画像、図版、テキストを入れていきます。特に「企画の目標」ページは、目標数字などを目立つように表現することでアピールできます。

また手段ページは、広報チャネルや使用メディアなどをできるだけ詳細に記すことでリアリティが増します。

 

4. まとめ

企画書の作成は、重要ポイントをおさえることで、短期間で高品質なものを実現できます。

まずは9つの構成項目を書き出し、それぞれに情報を当て込んでいき、表現をブラッシュアップするのが効率の良い作成方法です。表現力の向上としては、高品質な画像や見やすいチャート、図版を活用しましょう。

そして作成し終わった企画書を、第三者に見てもらうことをおススメします。

どんな資料にも改善できる余地があります。それは、作成した本人には気づきにくい部分です。関係者ではない赤の他人に冷静に見てもらうことで、初めて見る人の気持ちを疑似シミュレーションできます。

その時の感想は、とても貴重です。謙虚に受け止めて改善することで、“通りやすい企画書”に生まれ変わります。

企画書作成ノウハウ集

企画書を劇的に変え、成果を上げましょう。

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