2018年04月20日

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求人広告で成功するニーズが非常に高まっていると、最近感じる。仕事柄いろんな経営者にお会いするが、足らない人材が補充できるだけで売上に見込みが立つケースが非常に多い。東京オリンピックを控える建設業やバブル状態のエンジニアが、良い例だ。よく言われるように、企業活動における重要3要素であるヒト、モノ、カネの中で、経営を左右するヒトというリソースを確保できるかどうかは、事業の発展には欠かせない要素だ。だからこそ、求人広告で成功できるかどうかは、経営の成功に直結する。では、具体的に求人広告を成功させるポイントを考察していきたい。ポイントは、大きく以下の5つに絞られる。

 

1.求人広告デザインと自社Webの連動で考える
2.ターゲット設定を綿密に行う
3.競合を意識して、競争優位性を設定する
4.魅力ポイントを、5秒で認識できる広告表現に落とし込む
5.ABテストを繰り返し行い、応募者の質と量を上げていく

 

1. 求人広告デザインと自社Webの連動で考える

1-1.求人広告デザインと自社Web連動の重要性が認識されにくい理由

採用活動は、求人広告単体も重要だが、実は自社サイトとの連動性がそれと同じぐらい重要だという事実が意外と認識されていない。古巣を悪く言うつもりはないが、リクルートを筆頭に求人媒体を売る営業マンの本音は、クライアントの予算枠をできるだけ取ること。彼らにとって一番効率的なのは、ある程度採用に失敗して何回も出稿してもらうか、成功して違う職種でまた新規で掲載してもらうかだ。今まで企業にとって一番効率的な理想形の採用スキームの話をする営業マンの話を聞いたことはない。つまり、そこのノウハウは求人広告の営業マンには期待できないと考えた方がいい。

1-2. 求人広告に反応したユーザーの興味を失望させない自社Webの情報性

求人広告デザインにおけるメッセージは、一貫する必要がある。求人広告を見たユーザーが、「この会社って、どんな感じなんだろう?」と思い、その会社のホームページにいく。その時、求人広告に掲載したメッセージを補完する情報が本体のWebサイトに装備されるべきだ。この連動性が、実は一次面接の役割と歩留まり率の向上を果たす。本当に来て欲しい人材に応募してもらうためには、この自社Webでのクロージング効果が欠かせない。ディスカバー・ジャパンを仕掛けた電通の伝説プロデューサー藤岡和賀夫氏は「良質な番組は、全員わかるはずがない。本当に重要なのは視聴率ではなく、視聴質だ」と語ったが、至言だ。

1-3. 採用専門コンテンツを用意することでパフォーマンスが向上できる

「この会社は、人材の重要性がわかっている!」-そんな印象をもたらすのが、採用コンテンツだ。最近は専門のお洒落な採用サイトを構築するケースが増えている。新卒、中途合わせて年間の採用人数が20名以上いる企業は、専門の採用サイトを作成した方が間違いなくパフォーマンスは上がる。求人サイトで母集団を作り、そこから流入した応募人材が“どれぐらいのボリューム”で“どれぐらいターゲットに近いか”がキーになる。この採用コンテンツは、採用活動時は意思決定を促進するランディングページの機能を持ち、採用期間外は自然検索による潜在応募層の形成に貢献する。そういう意味では、採用コンテンツには自社の情報だけでなくお役立ちコンテンツの拡充も有効だ。

【参考サイト】
2018年新卒採用サイトを徹底比較!おしゃれなデザインまとめ20選
採用サイトのコンテンツ〈14案〉~学生の心を動かせ~
企業の将来をかけた採用サイト!成功の鍵を握るデザインとは
中途採用担当向け/採用サイトで採用力が高められない7つの原因
カケハシスカイソリューションズ/事例紹介

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▲一貫したメッセージで統一された求人広告と採用コンテンツの連動性が、パフォーマンスを大幅に向上させる

 

2.ターゲット設定を綿密に行う

2-1. 採用したい人と採用できる人は違う

企業には、それぞれの成長段階がある。どんな企業も、スタートアップを経て成長していく。当然そのステージごとで、採用できる人材像は変わっていく。上場して資金も潤沢にある状態ならともかく、企業の99%を占める中小企業は限られた予算内で頭をひねり、戦略的に事業貢献してくれる人材を獲得していく必要がある。採用したい人と採用できる人は違うという事実を認識し、その発展ステージにマッチングする人材像を徹底的に洗い出す必要がある。江副さんがリクルートを創業した時、優秀な大卒男子は官僚か財閥系企業に就職した。そこで実家が商売をやっているリーダーシップのある大卒女子に男子と全く同じビジネス機会を提供し、刈り取っていった。いつの時代も自己を客観視し、ポジショニングを把握することが、解決につながっていく。

2-2. ベストなターゲット像は自社のヒーロー

企業が存続している以上、そこには働いている人々がいる。そしてその現場にこそ、実は求人広告デザインのネタが潜んでいるケースが多い。自社の事業を一番リアリティある形で伝えるには、自社社員に仕事のヤリガイやサービスへの想いを語ってもらうのが王道だ。採用の本質は“一緒に働ける仲間作り”である以上、自社社員のメッセージに共感してくれる人材は、自社の理想の人材に近い可能性が高くなる。自社のトップ人材を広告塔にし、その相似形を採用していくことで、組織全体のレベルアップを図っていく。もちろん求人広告に登場させる社員は、営業戦略的に重要な事業や重点補強職種が理想だ。入社するキッカケや、最初に味わった挫折とその乗り越えた経験などを通して、さりげなく社風を感じさせることができるとよりマッチング精度が上がる。

 

3. 競合を意識して、競争優位性を設定する

3-1. 広告は喧嘩と同じ 勝てる喧嘩をする

「広告は、喧嘩だ」と言い切ったのは、伝説のコピーライター中畑貴志氏だ。相手に好感を持ってもらうために差別化を図るプロの広告人だった中畑氏は、カンヌ国際広告映画祭金賞受賞したサントリー角瓶の名作『「角」÷H2O』や野坂昭如のCMで有名な『ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか みんな悩んで大きくなった』など、数多くの実績を持っている。そんな中畑氏がいう通り、競合他社の広告は少しでも目立つために攻めてくる。その競争に勝つためには、差別化を図り、ターゲットの顕在意識及び潜在意識に響く表現を設計する必要がある。差別化を図ることに成功した求人広告デザインの実例については別のページで詳述するが、一番の肝は競合他社に勝てる事実を掘り当てることだ。そのヒントは、会議室では見つからない。必ず現場にある。

3-2. 訴求点を絞り、仮説検証で確信へ

企業によって、その業界での優位性は千差万別だ。サービス力が強く圧倒的シェアを持っている場合、待遇が良い場合、独自の制度を持っている場合など。一番の理想は、サービス力と社員のヤリガイが重なり、そこを説得力のある肉声とビジュアルで伝えることだ。何だかんだいって、結局人間が一番興味を持つのは人間だ。競争優位性のポイントは、求人広告ごとに変えて効果測定するのもベター。経験上、待遇の良さで訴求するのだけは避けたい。良い待遇を求めて応募してくる人材は、スキルが低い傾向が強い。究極の求人広告は、かの有名な南極探検隊員募集だ。「南極探検隊員募集。求む隊員。至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の日々。絶えざる危険。生還の保障はない。成功の暁には、名誉と賞賛を得る。by アーネスト・シャクルトン卿」100年前にロンドンの新聞に掲載されたこの募集広告には、5000名が応募した。最初に仕事の厳しさを宣言することで、浮動層を排除し、モチベーションの高い層を獲得できた歴史的成功事例だ。

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▲求人広告史の名作である南極探検隊募集の広告。条件は厳しいが、他では得られないメリットをターゲットに響く表現で設計されている

【参考サイト】
お店の求人広告、それで大丈夫?応募率アップにつながる「書き方」の極意
スマホ時代の求人広告の書き方とは
ヤル気のある人材が集まる求人広告の書き方2のポイント
響け!求人広告ライターの本音

 

4. 魅力ポイントを5秒で認識できる広告表現に落とし込む

4-1. 読ませるのではなく見せる求人広告デザインへ

求人広告のデザインは、通常メインキャッチ、メイン画像、見出し、本文で構成される。よくクライアント企業はユーザーが全文読んでくれるものと勘違いして文章作りに精を出すが、本当に大事なのはキャッチコピーとメインビジュアルだ。大多数のユーザーは、エリアや業種といったカテゴリー検索をした後に表示される求人広告を流し見している。そして興味が沸いた求人広告だけクリックして、詳しく読もうとする。つまり自社の広告スペースをユーザーの視線が通過する時間は、実質1~2秒だと考えた方が良い。競合企業がひしめく求人広告群の中で勝負に勝つ一つの解決策は、出稿する求人媒体の該当スペースに自社の求人広告を置いて、ユーザーの気持ちになって客観視することだ。自社のターゲットがどういう気持ちで、職を探しているのか。そしてそのカテゴリー求人広告欄にたどりついて流し見した時、自社の求人広告はどれぐらい目立っているか。実はこのシミュレーションは、相当効果がある。

4-2. 強みがすぐわかる求人広告デザインとは

では、ターゲットが見に来る求人広告カテゴリーで目立たせるにはどうしたらいいのか。これには、いくつかのセオリーがある。

・キャッチコピーには、ユーザーが気にする事実数字を入れると信頼性が高まる
・イメージフォトより実際の写真の方が、数段親近感がわく
・美男美女の社員を出す求人広告がよくあるが、そういったアプローチは母集団は稼げても現場で機能しない人材が多い
・写真を登場させる場合、経営層よりもターゲットに近い人物の方が読まれる率は高い
・登場人物の出身大学、専攻学部、年齢、ポジションなどは、ターゲットはよく見ているので入れるべき
・エンジニアなど専門性の高い職種で、高スキル人材の場合、素人にはわからない専門用語を入れた方が質の高い人材が応募してくる
・お給料をもらいながらスキルを上げていける道筋があることを、登場人物の実例をもとに語れると理想

あと出稿媒体の営業マンに、類似職種の求人成功事例を取り寄せるのは鉄則である。できれば、3~4社見積もりを取り、その時に成功事例を2ケースずつ依頼すれば、アプローチノウハウと最適な人材を採用するにはどの媒体が適しているかがわかることも多い。

【参考サイト】
広告事例/デザイン情報サイト
独立社長候補募集の求人広告デザインの事例
実話 感動します!求人広告効果事例
ランディングページ集めてみました 求人・転職ランディングページ

 

5. 求人広告デザインのABテストを繰り返し行い、応募者の質と量を上げていく

5-1. 媒体と求人広告デザイン設計と効果の相関関係を把握する

求人媒体には、リクナビやマイナビなどのマス用求人媒体とIT系強いGreenや医療分野に強いエムスリーなど、業界特化型に大別される。いずれにしても費用対効果が一番高い媒体と広告表現のセットを見つけるべきだ。どの媒体に、どんな求人広告デザインで出稿すれば、どんな人材が来るのか。重要なのは求人広告デザインのABテストを繰り返し、効果の精度の高さを継続的に高めていく努力をすること。これはFacebook広告やリスティング広告と同じで、ユーザーの行動数字の見方をマスターし、改善することこそが本丸だ。そして面接で応募者にどこが気になったかをヒアリングし、記録に残していく。また面接でのアプローチも数種類用意して、仮説検証し、成功パターンを確立していく。

5-2. データを蓄積することで数字を改善できる

ある程度出稿量のある企業は、そういった作業結果を年間を通してデータ蓄積していく。よくリスティング広告などの管理レポートで、対象キーワードと因果関係のある各種数字が並んでいるが、実は重要な要素が抜けている。それは広告表現だ。ユーザーの目にどう映ったかというデータを追跡する視点を持たないと、広告効果の本質的な改善は機能しない。視線動向調査のニーズがあるのは、ユーザーの意思決定プロセスをデジタルに分析できるからだ。結論を申し上げると、出稿媒体名、求人広告のデザイン画像、掲載期間、応募者数、同時期の自社Webヒット数の増加数、採用者数を一つの表にまとめて継続的に蓄積していくことをやってこそ、最強の採用活動の仕組みが出来上がる。

【参考サイト】
・ABテストとは
・月1000件以上のリードを生み出すコンテンツマーケティングの効果測定とKPI管理まとめ(管理シート付)
・広告効果測定のおすすめツール11選
・IT投資の効果測定は“積年の課題”-経営者はどうやって投資の妥当性を見出すか