2017年11月09日

最近、パワーポイントによる企画書制作代行の案件が増えている。そんな企画書制作代行の作業を通じ、ビジネスの風向きを感じることがある。それは営業対象の内部情報にいかに精通し本質的な課題を抽出する力、そしてその課題を解決する具体的施策立案力と、コスト&リターンの精緻なシミュレーションの重要性だ。

人生において、数多くの営業シーンを経験してきた。そのほとんどは自社サービスの紹介と、他社との実績自慢だ。サービスを提供する相手のことにじっくり耳を傾けることなく、いきなりサービス紹介に入ることは自己の解決リテラシーの低さを露呈していることと同義だと思う。もっと厳しい言い方をすると、相手の時間を浪費するエゴ行為かも知れない。リクルートのように圧倒的に強い自社サービスを保有している企業は、かつては人件費が安い若くて押しの強い社員を雇用し、絨毯爆撃でシェアを取ることができた。しかしインターネットが発達し、SNSという共感性の高いコミュニケーションプラットフォームが浸透するにつれ、企業のサービス優位性はテクノロジーで一変するリスクに日々晒されている。そうした変化に対応するには、自分も変化していくしかない。

先日放映されたプロフェッショナル仕事の流儀に登場したカルビーCEOの松本晃氏のこの言葉が、胸に刺さった。

「何か新しい商品や事業を立ち上げるとき、“世のため人のためになるか”、“儲かるか”、“勝ち目はあるか”、これらを常に考えています」
「私は、何かわからないことがあると、スーパーの売り場に2時間ほど立ち続けることにしています。売り場に立ってずっと観察していると、分かってくることがあるからです」
「今の時代、データで情報を増やそうと思えば、コンピュータでいくらでも増やせます。しかし、そのデータは情報の多くは役に立ちません。役に立つのはインテリジェンス、つまり諜報です。私なりに定義すれば、それは勝つための情報であり、ごく限られたものです」

こういったことを意識しながら、よりクライアントの売上に貢献できるリアルな提案企画書を作成していく必要があると考えている。以下は、そういった考え方で作成した企画書の実例だ。

某エンジニア派遣企業向けの事業ポートフォリオ&集客提案企画書
某エンジニア派遣企業向けの事業ポートフォリオ改善&エンジニア集客提案企画書の表紙デザイン。ターゲットエンジニアを昆虫に例え、昆虫が集まる蜜場をオウンドメディアに例えて、そのスキームを提案した。また粗利率を高めるために、エンジニア以外の職種と抱き合わせ派遣も提案。それらの中長期ロードマップを作成し、実例に基づくコスト&リターンのリアリティも訴求。その結果、かなりの好反応を得ることに成功した。

某スキーツアー運営会社向けに集客提案企画書
これは、某スキーツアー運営会社向けの集客提案企画書表紙デザイン。米メディアバズフィードを研究し、拡散メカニズムによる話題作りと集客、オーガニック検索力を強化するためのコンテンツ設計の2本立てで提案し、年間受注に結びついた。企画書のデザインとしては、一気に業績を向上させる跳躍力とスキーのジャンプのイメージを重ね合わせ、勢いが感じられる表紙に。バズフィードメディアに関しては、公開されているリアルなメディア情報を付記し、そのシミュレーションを適用したプロセスも付記した。

タレントプロデュース企業企画書表紙1
これは某タレントプロデュース企業の新サービス営業用企画書表紙デザイン。サービス名が目に入ってくるようにしながら、タレントのリアリティも同時に感じされるような企画書デザインにした。そのサービスのコアコンピタンスとなる部分を、いかにビジュアルインパクト化するかが企画書の表紙の重要な役割だと考えている。

病院向け事業支援企業の看護師採用戦略提案企画書
病院向け事業支援企業への看護師採用提案企画書の表紙デザイン。医療業界は人材の需給バランスがいびつで、それが病院経営のコストを圧迫しているという現状がある。そのため病院経営の重要テーマの一つが、優秀な人材採用と組織への定着率だ。医療業界の採用サイトを分析しつつ、集客力の強化とマッチング精度を高める自社WEBサイト情報&表現設計を提案した。企画書のデザインとして気をつけたことは、採用におけるマッチング率の向上には現場情報の掘り下げとターゲットに響く表現設計が欠かせないということ。それはWEBサイトを構築する上で、現場とのコミュニケーションチャネルをどう構築するのかというテーマも内包している。現在プロジェクト進行中。

外務省向け誘拐・被害者家族支援研修の提案企画書表紙
外務省向け誘拐・被害者家族支援研修の提案企画書の表紙デザイン。ISの崩壊、2020年の東京オリンピック、昨今の北朝鮮情勢など、不安定要素がますます増える日本の安全を維持するニーズは間違いなくこれから増加する。その先端ノウハウを世界で一番保有しているのは、誰が何と言おうとアメリカであるのはまぎれもない事実。どんなジャンルでも、一流のサービスを仕入れることが最重要だと実感した仕事だった。

外資系企業向け人材紹介企業の企画書表紙
某有名外資系企業に在籍されていた方が新たに外資系企業向け人材紹介会社を起業した時の営業企画書表紙デザイン。かつて自身がいた業界だけに、そのニーズと課題を知り尽くした内容に。やはり内部にいた人間の情報は一番強い。

関西にある某建設会社が新卒採用を開始するにあたっての新卒採用向けの企画書表紙
初めて新卒採用をスタートする関西の建設会社の採用向け企画書表紙デザイン。現場職に大卒を採用するにあたって、そのヤリガイと具体的な社内でのキャリアアップを強く訴求した。建設業界は医療業界同様、従来の採用手法では限界がある。夢真ホールディングスのように施工管理職に体育大卒女子の登用といった斬新な改革が必要だ。

日本弁理士会のコンペに提出した企画書
2016年8月に日本弁理士会のサイトリニューアルコンペに提出した企画書表紙デザイン。弁理士の知的所有権保護や肖像権等の業務を中小企業のオーナーに訴求するため、イラスト企画を提案。見事採用され、それ以外にも社長スペシャルインタビュー企画や、あるあるシリーズなどユニークな企画が誕生した。今後よりビジネスのグローバル化が進むにつれ、こういった権利関係ビジネスはニーズが高まると感じている。

航空自衛隊WEB全面リニューアル提案企画書
航空自衛隊WEB全面リニューアル提案企画書表紙デザイン。日本を安全を空から守る部隊の意義と国民的啓蒙を目的としたリニューアルに向けて、幅広い層に興味を持ってもらうコンテンツとクイズや動画を提案。

海外事務所機能格安提供サービス案内の企画書表紙
海外事務所機能格安提供サービス案内の企画書表紙デザイン。超高齢化と人口現象のダブルパンチで、国内の産業力の減退が予想される中、海外の成長力のある新興国へ進出意欲の高い企業は多い。そういったニーズを狙ったこの案件には、今後の日本の方向性が示唆されているようで興味深かった。

優秀な理系新卒100人採用提案企画書の表紙10
今、ビジネス界ではエンジニアの争奪戦が発生している。その優秀なエンジニアの卵である優秀な理系を学生を採用するにはどうしたら良いのか。筆者はインターンシップ企業在籍時代フリーペーパーを立ち上げ、東大、早慶、六大学、京大阪大、関関同立、旧帝大の理系学生をリクルーティングし、マイクロソフトや日本IBM、ソニー、サイボウズ、マクロミル、ワークスアプリケーションズなどの企業に送り込んでいた。ちなみに当時、合併する前の新日鉄の新卒採用WEBサイトのコンペに参画した。事前に東大、東工大、早慶の理工系大学院生の学生マーケティングチームを結成し、現サイトの課題を洗い出して、改善案を集約した企画書でプレに臨んだところ、5社中見事受注した。中身は、そのノウハウをベースにしている。

新卒採用を成功させるための企業の現場情報を強化するための座談会企画の企画書デザイン
現在のWEB集客の主戦場は、情報のクオリティに移りつつある。テレビでのドキュメンタリーニーズが消えないのは、まさに“賢者は歴史から学ぶ”からだ。広告意図を含んだコンテンツではなく、純粋な報道視点でWEB上で読者が望む企業現場情報を発信できないか-そこからこの覆面座談会企画が誕生した。筆者は実はインターンシップ企業でフリーペーパーを創刊し編集長をしていた時、実名社会人座談会を実施したことがある。かつてインターンシップで活躍し、その後ソニー、本田技研、リクルート、NTTデータ、メリルリンチ証券などの有力企業で活躍するOB・OGに学生時代の過ごし方と現在のつながりについて語ってもらった。この企画がフリーペーパーの誌面に掲載され、有名大学のキャンパスに届けられた後、登録者数がかなり伸びた記憶がある。企画書のデザインとしては、座談会のライブ感をビジュアルで訴求しながら、通常では得られない企業現場情報力がWEB集客につながることを訴求した。

佐世保市活性化の提案企画書表紙デザイン
長崎県佐世保市の地域活性化の提案企画書の表紙デザイン。最近地方創生が叫ばれているが、やはり本質は雇用の創出だ。人が集まる力を持つ吸引力のあるサービスをどう設計するかが鍵になる。今回はあのお笑いのキング、吉本興業が推進している地域活性化イベント企画とのコラボ案だ。吉本興業は「あなたの街に“住みます”プロジェクト」や「よしもと美術館」など、テレビでの展開とはまた違ったコンテンツ戦略を展開している。その地の名産品をECサイトで販売することでその地域の雇用を生み、活性化する活動とはまた違った切り口のユニークな展開だ。高齢化が進む日本は、地方の行政の人口減少により税収が落ち込み、行政サービスが成り立たなくなる危機的状況の崖っぷちにある今、こうした動きにも関わっていければと考えている。

学生プログラマー即戦力化提案企画書表紙デザイン
理工系の学生を集客採用し、実際の企業のプログラミング案件を通じて即戦力化を図る企画の表紙デザイン。FacebookやGoogleなど、アメリカの大学生が立ち上げたサービスが、あっという間にトヨタなど日本を代表する名門企業の時価総額を超えてしまう時代だ。日米のプログラミングコンテストなどでも、日本の学生の戦績は全くアメリカの学生に負けていない。基本的な資質は、十分あることは実証されている。あとは実際の仕事に早く触れ、いろんな人と出会い、素晴らしいアイディアに資金付けされる機会を作れるかどうかが、アメリカとの起業環境の違いだ。クラウドファンディングの普及もあり、かなり環境は整いつつある。日本製ザッカーバーグを創出するためのこの企画は実行フェーズに入り、その企業は爆発的成長を遂げている。

学生ビジネスプランコンテスト提案企画書表紙デザイン
学生の斬新なアイディアは、新しいサービスを生む大きなパワーになる。GoogleもFacebookも、大学生のアイディアから誕生した。そういったアイディア力をある一定のビジネステーマの下で、大学別に競争するイベントで盛り上げようというのが、この学生ビジネスプランコンテストだ。私の方でビジネスプランの概要が一目でわかる1枚パワーポイント企画書フォーマットを用意し、事前審査、予選、そしてビジネスの第一線で活躍するプロの審査員の前でのプレゼンテーションというフローで実施した。関西、名古屋、九州エリア、ヨーロッパから国費で留学で来ている東大生などからも応募があり、優勝は立命館大学の学生が勝ち取った。この企画は好評で、様々な企業が新規事業の立ち上げや優秀な新卒学生採用の手法として活用している。