2015年03月22日

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最近買った本で面白かったのが、この『餃子の王将社長射殺事件』だ。

著者の一橋文哉氏の著書は、以前『闇に消えた怪人-グリコ・森永事件の真相』、『三億円事件』を買って読んだことがある。『許永中 日本の闇を背負い続けた男』や『ヤメ検司法エリートが私欲に転ぶとき』他の著書がある森功氏とともに、個人的に注目しているジャーナリストだ。

今回一橋文哉(いちはしふみや)のペンネームが、元サンデー毎日副編集長で「一ツ橋のブン屋」に由来することを知って思わず笑ってしまった。

そんなユーモラスなセンスをお持ちの人物であることとは知らなかったが、その硬派で緻密な取材姿勢は全ての作品に貫き通されている。今回の作品も期待を裏切らない。

出だしは、こんな文章で始まる。

終戦時の満州で…

東京・新宿歌舞伎町。2014年9月中旬の午後2時すぎ…。
世界に誇る“不夜城”(24時間眠らない街)として知られ、1年を通じてほぼ毎日、観光客や買い物客、酔客などで賑わっている大歓楽街でも、昼下がりの一刻、路地裏などを中心に、まるでエアポットのように、ぽっかりと静寂な空間を創りだすことがある。この時がまさに、その瞬間であった。

暴力団とチャイニーズマフィアという日中両国の犯罪組織の間で仲介役を務める自称・ブローカーの「林」と西新宿の高層ホテルのラウンジで会ってから約二ヶ月。13年12月に京都市で起きた「王将フードサービス」社長射殺事件の取材で、実行犯と目される中国人ヒットマンの組織について執拗に尋ねる私に辟易したのだろうか、「是非会わせたい人物がいる」と言って私を連れてきたのが、ここ新宿歌舞伎町の路地裏に建つ一軒の古びた中華料理店だった。

おそらくチャイニーズマフィアの幹部自身か、その流れを汲む半グレ集団の関係者が経営する中華料理店であり、指定された時刻はランチタイム終了後に従業員らが休憩する時間に当たるのだろう。

新宿歌舞伎町の裏通りの中華料理屋から始まるストーリーは、誰もが知っている『餃子の王将』企業の社長の殺人事件の系譜が、日本国内だけではとどまらないことを示唆している。緻密な取材、各種資料による編集力、推理力に満ちた書籍は、常日頃の想像力や洞察力を磨くスパイスになる。