2014年07月31日

20160227ピーマン

20140728代9

今回の事例は、異業種のコラボプロモーション事例だ。

衣料大手メーカーワコール「スゴ衣」と、宮崎県ピーマンとのコラボという異色の組み合わせで、食品売り場で衣料品の販売促進を行うことに成功した。

「スゴ衣」は、冬用インナー市場においてシェアNo.1を目指した薄くて軽い商品。関西のローカル番組でその軽さの実験をし、ピーマン約2個分の軽さだったことから「ピーマンの下着」として買い求める顧客が増えた。

それがキッカケで、よりその“軽さ”を体験するプロモーションの必要性が生まれたのが背景だ。

今回の企画書の制作ポイントを、関係者は“繰り返して見せること”、“必要な要素を選んで見せること”と語っている。

 

20140728代10

20140728代11

 

異業種への提案は徹底してわかりやすく!

◆ワコール 「スゴ衣」×宮崎県産ピーマンコラボレーション

ワコールは、“薄い・軽い・暖かい”商品特長を持つ冬用インナー「スゴ衣」のプロモーションの一環で、宮崎県産ピーマンとのコラボレーションキャンペーンを実施。宮崎県産ピーマンを2袋購入し、外袋のバーコードを切り取って応募すると抽選で2000名にスゴ衣をプレゼント。ピーマンの外袋に告知プリントを施し、食品売り場で衣料品の訴求を行うことに成功した。

◆異業種コラボで量販店の回遊率もアップ

暖冬の影響による販売期間の短期化と集中化、防寒機能を備えたロープライスインナーとの競争を背景に、中高級品冬用インナー市場においてシェアNO.1を目指した「スゴ衣」。

薄くて軽いという付加価値を、インパクトを持って訴求するため、キービジュアルでは赤色と、下着売り場での採用が少ない黒色を使用。テレビCMや、温度計付きの交通広告などと並行して「低予算でコミュニケーションの到達範囲と深度を両立し、かつ話題になる販促活動を企画したかった」と宣伝部ワコールブランド販促課担当の石井直美氏は語る。

昨年関西ローカルのテレビ番組で「スゴ衣」の軽さの実験をした際、ピーマン約2個分の軽さであることが放送されたのち、「ピーマンの下着」として買い求める顧客が多かった経験から、軽さについては「ピーマン約2個分」というキーワードに注目。ピーマンを使い、下着売り場以外で多くの人にメッセージを届けながらその軽さを体験してもらうことを考案した。

主な販売チャネルである量販店にとっても、食品を扱う1階と衣料品を扱う2階を結ぶコラボレーションは店内の回遊性が高まり、メリットがある。宮崎県は同社の縫製工場があるほか、冬場のピーマン出荷量が日本一であり、シェア拡大を目指す同社の方向性と一致。宮崎県産のピーマン「グリーンザウルス」が毎年実施しているプレゼントキャンペーンとタイアップし、両者の認知促進につなげた。

 

20140728代12

20140728代13

20140728代14

 

◆企画書は分量を減らし、言葉の言い換えを

ワコールが地域の第一次産業とコラボレーションするのは初めての試みであった。業種も組織体系も違う異色のコラボレーションを実現するため、提案にも様々な工夫を凝らした。

「JAは、生産者による団体です。農産物は増産ができないので、販促よりも計画的な流通とダンピングに負けないブランドづくりを重要視しており、通常のメーカー活動とは少し性格が違います。ですから、JA宮崎の時間軸や基本的な考え方を理解し、それを前提に提案や実施を進めました。提案内容は生産者の評議によって決定するので、“宮崎県産ピーマンが全国的に有名になり、話題が広がることで生産者のモチペーションがアップする”など、生産者へのメリットを打ち出すことを心掛けました」(石井氏)。

企画書も分かりやすさを重視したが、提案前に宮崎にある同社の工場を通じてJA宮崎の関係者にヒアリングをしたところ「企画書が長くて読みにくい」「言葉が分かりにくい」などの指摘を受けて、急濾修正を行った。

「“プレミアムフェア”など、普段何気なく使っている言葉も、伝える相手によってより分かりやすく言い換える必要があることを改めて実感しました。また、コラボレーションのメリットについても分かりやすく、繰り返して見せること、必要な要素を選んで見せることを心掛けました」(石井氏)。

企画書も分かりやすさを重視したが、提案前に宮崎にある同社の工場を通じてJA宮崎の関係者にヒアリングをしたところ、「企画書が長くて読みにくい」「言葉が分かりにくい」などの指摘を受けて急濾修正を行った。

「“プレミアムフェア”など、普段何気なく使っている言葉も、伝える相手によってより分かりやすく言い換える必要があることを改めて実感しました。また、コラボレーションのメリットについても分かりやすく、繰り返して見せること、必要な要素を選んで見せることを心掛けました」(石井氏)。

こうした工夫の成果もあり、提案は早々に受け入れられた。さらに、宮崎県産ピーマンをプライペートブランドとして販売しているイオングループでも外袋にキャンペーン告知プリントが入ることが決定、流通量はさらに増した。ピーマン売り場には、天秤をモチーフにした什器を設置。食品同士のコラボレーションはあったが、衣料品とコラボレーションすることで店頭企画の広がりが生まれたと評価を受けた。 10月下旬~1月末日までのキャンペーンで、のべ2000万個の告知入りピーマンが全国に流通したという。

キャンペーンの反響も大きく、JA宮崎には当選者から多数のお礼ハガキが届いた。冬期の機能性インナーとして認知を広めたスゴ衣だが、今年から春夏シーズンにも進出。プランディングと多様な商品展開を両立させながら「今回を超えるようなインパクトのある企画で、認知を高めていきたい」(石井氏)という。

企画書は、様々なシーンで使われる。その企画書の用途別表現パターンも、ビジネスの重要なスキルだと思う。