2014年07月28日

20160227有楽町クリスマス

20140727有楽町西武クリスマスプロモーション

メディアミックスのプロモーションは、高度な戦略と周到な準備、そして臨機応変な修正が求められる。

特に現在のプロモーションでは、テレビ・雑誌・新聞・ラジオの4媒体+インターネット、そしてSNS上によるクチコミの波及効果をどう作っていくのかという命題がある。

今回の事例は、媒体ネットワーク力のある電通がそのメディアミックス力を十二分に発揮した好事例と言えるだろう。

記事やコメント内容やタイトルに“キラキラケータイ”という成功キーワードを設定し、そこから帰納法的にプロモーション設計するあたりが今回の事例の面白いところ。広告同様、プロモーションにもトーン&マナーがあることがわかる。

おそらくこのレポートには出せない情報がたくさんあるであろうことが想像される、ワクワクする内容だ(笑)。

クロスメディアの企画書は「ひと目でわかる」「具体的な想起」

◆NEC×有楽町西武×電通 「N-02A×有楽町西武クリスマスプロモーション」

NECは、NTTドコモの冬モデル携帯端末「N-02A」のプロモーションで、有楽町西武のクリスマスプロモーションとのコラボレーション企画を実施した。商品特徴であるファッション性やイルミネーションボタン機能に象徴される「キラメキ」をキーワードに、有楽町西武のイルミネーションとコラボレーション。同店頭のマネキンを擬人化し、サイト上の恋愛小説と連動させて商品への共感を獲得したほか、イベント実施による機能理解と周囲の販売店舗への送客に成功した。

20140727有楽町西武クリスマスプロモーション企画書1

20140727有楽町西武クリスマスプロモーション企画書2

◆成功ワードから逆算し話題を広げる

当初、NECから相談があったのは、「雑誌と連動したプロモーション」によるキラメキケータイの訴求であった。電通ではまず、プロモーションのゴールイメージを社内で共有化。そこから、「発売時期であるクリスマス前に、ターゲットである30代女性のイルミネーションやファッションヘの関心および購買意欲が高まる気持ちと、最も能動的にリンクできるリアルな体験の場が必要」(プロモーション事業局茂呂譲治氏)として、雑誌連動の企画に加え、イルミネーションとコラボレーションしたプロモーション企画を考案していった。

企画考案の際は、“体験者に何を語らせるか”を重視した。体験者の声をどのように広げていくかを考えていく中で、「記事やコメントの内容やタイトルが“キラメキケータイ=N-02A”になること」を意識。

具体的な成功ワードから逆算した、パブリシティやウェブの施策による導線設計を行った。会場となるイルミネーション候補についても、ターゲットに人気の有楽町西武に注目。電通内の有楽町西武担当者のニーズとも合致したため、企画を提案。有楽町西武からも前向きな反応とともに、マネキンやツリーなど店舗の様々なツールを媒体化する提案を受けた。

◆情熱と冷静の視点で企画に説得性を持たせる

1回目のNECへの提案の際は、企画の全体像をひと目でクライアントと共有化できるような可視化を行った。また、施策によるステイクホルダーのメリットを明確化する企画書を目指したという。具体的には雑誌連動企画とイルミネーション企画の双方を1枚ずつで見せ、それぞれのメリットを明示し判断しやすくした。有楽町西武に対しても同様で、コラボレーションの意味やメリットを明確にしている。

20140727有楽町西武クリスマスプロモーション企画書3

また、プレゼンテーションでは、「クライアントの熱い思いと、ターゲットの冷めた視点の両方に触れました。つまり、もし自分が商品を良く知る社員だったらどんな価値を伝えたいのかと、広告は生活者になかなか見てもらえない、この二つの視点に触れた上で、一つひとつの施策の意味について説明させていただいたつもりです」と茂呂氏は話す。

20140727電通ミーティング 企画提案グッズ

生活者の冷静な視点について熟知していたNECでは「当社の構想やアイデアを、実行の側面から具体的なスケジュールに落とし込み、実現可能な形にしている」とイルミネーション企画を採用。

NECからもプレゼンの場でアイデアがどんどん提案され、マネキンの擬人化や着せ替え案は実際のプロモーションにも落とし込まれた。

◆完成形に近付けることで 具体的イメージを共有

2回目の提案では、ウェブでの展開案について具体的な施策を求められていた。

電通は、擬人化マネキンによるクリスマスに向けたイベントコーディネート企画を提案した。女性ファッション誌のシチュエーション別コーディネート紹介をモチーフに、店頭のマネキン展開と人気恋愛エッセイスト潮凪洋介さんによるオリジナル恋愛小説との連動を考案した。小説はクリスマスまでの実際の時間軸で展開し、キーアイテムとしてN-02Aや有楽町西武のツリーを登場させたほか、各話の最後にはシチュエーションに合わせた2案のコーディネートを紹介。アクセスしたユーザーが好みのコーディネートを選ぶと、潮凪さんや有楽町西武バイヤーのアドバイスコメントが読めるようにした。

また、小説の展開に合わせて店頭のマネキンも同様にコーディネート。サイトと店頭双方に案内を出すことで相互誘引を図った。

イルミネーションでは、ツリーにN-02AやテレビCMのモチーフにもなっている蝶を付けて商品のイルミネーション機能とともにテレビCMを想起させた。ツリー下には商品のショーケースを設置し、ターゲットの情緒的なブランド体感を図った。

2回目以降の提案では、完成形に近い内容を見せ、具体的なプロモーションとその効果が分かるような企画書を心掛けたという。小説展開の提案ではプロットや登場人物のプロフィール、各シーンのコーディネートイメージなど細かい内容を見せた。

ツリーのイルミネーションに関しては「企画書だけではイメージがわきにくいので、動画やパラパラマンガを作って表現しました」(プロモーション事業局石毛正義氏)という。

◆好意的な流れを保ち、販売店へ送客する

ツリーの点灯式は、パブリシティを特に意識した。携帯電話をかけるとツリーにぶら下がった携帯が光った後にツリーが点灯する演出や、出演タレントに対して「今年一番きらめいた瞬間は」というプロモーションテーマに落ちる質問を用意した。

20140727有楽町西武クリスマスプロモーション企画書4

また、タッチ&トライイベントでは、体験インセンティブとしてツリー前でN-02Aによる撮影とその写真のプリントアウトサービスを実施。能動的なブランド体験と「キラメキケータイ」「イルミネーションケータイ」というキーワードやインセンティブを口コミツールにした話題の広がりを狙った。

また、イベントでは同時に近隣の販売店マップを配布。好意的な流れが冷めないうちに店頭に誘引する導線も用意した。

「リアルの展開では実際にやってみると、少しずつ勝手の違うところがあります。毎週水曜日にはクライアントとミーティングを持ち、時間帯やターゲットによってイベント案内の仕方を変えるなど、細かい修正をしていきました」(石毛氏)。

こうした結果、当初の目標以上の体験者数とPR効果を達成。 NECからは「企画決定からのスピーディーな実行と、施策開始後に生じたリクエストに予算内で臨機応変に対応してもらった」、有楽町西武も「OLキャリアを中心としたお客さまへ今年らしい、クリスマスに輝きを添えた楽しみを提供できた」と評価が高かった。またN-02A自体の販売も好調で、ドコモ秋冬全商品のうち、トップの売り上げを獲得した(BCNランキング調べ)。

「ノーラインでコミュニケーションのデザインから実施までを行っているプロモーションセクションの私たちだからこそ、クライアントのお役に立てる機会はますます増えていくと思います。過去の枠にとらわれないアイデアやチームスタイルで、ピンチをチャンスに変えていきたいですね」と茂呂氏は語っている。